「何よ!今まで一度もこなかったくせにぃ」 「わりぃな、今日も千秋楽見にきたからさ」 「ちょっとぉ!あたしの芝居!今日MAXだったのに…ねぇ!」 いきなりふられ晴子は戸惑った。 「あっ…そっ…そうですよね」 「まさか…川原さん思ってくれてなかったの?」 「そんなんじゃないで…」 晴子はたけるを見た。 「…す…本当に…」 広子は二人の様子にピンときた。 「あたしやっぱ戻るわ。川原さんもあと少ししたら戻りなさいよ」 「はい」 「じゃあ、下田またね。今度飲みにでも」 たけるは笑顔で手をあげた。 「おう!次はちゃんと見るからさ」 「あはははっ、期待せずに待ってるよ」 広子は小屋へ入った。 たけるは晴子を見た。 「ごめん。会えるって思ってなかったんだけど、会えたらいいなって思って」 「いえ…」 明日会うつもりでいたからまさか… 「晴子ちゃん」 「はい!」 「待てなかったんだ」 「はい…」 たけるは少し唇をかみながら、困ったような笑顔を浮かべながら、意を決したようにまっすぐ晴子を見た。 「とりあえず…このまえはごめん。好きな子、自分で泣かしちゃダメだよな」 晴子は一瞬止まった、 今… 「晴子ちゃん」 「はい…」 「俺、やっぱ好きなんだよ、晴子ちゃんの事」 晴子はなんとも言えない気持ちが込み上げてきた。 「たけるさん…」 「本番前にこんな話もどうかと思ったんだけど、とにかくどうしても伝えたくて」 「あたし…」 晴子はまっすぐたけるを見た。 すると、小屋の扉があいた。 「あっ!いた!川原!そろそろ準備!」 晴子は戸惑いながらたけるに笑い、後ろを振り返った。 「今行きます」 たけるは頭を抱え笑った。 「まただ」 晴子も思いだし笑った。 「前もそうでしたね」 二人して大笑いした。 晴子は笑顔で片手をあげた。 「行ってきます。見てて下さい!明日、公園にいます」 たけるは笑顔で頷いた。 晴子は大きく手をふり小屋へと消えた。 たけるはその姿を見送った。 「あの笑顔で明日フラれたら……面白すぎるな」 たけるは苦笑した。 [先頭ページを開く] [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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