「ゆう…ありがとう」 たけるはゆうにハンカチを渡した。 「ゆうの気持ちは凄く嬉しいよ。俺もちゃんと正直になるよ。でも今は、ちゃんと書き上げたいんだ…たしかに進んでないけど、自分に打ち勝つためにも」 ゆうは涙をぬぐいながら笑った。 「ダサいねなんか。ゆう…もうきっぱりけじめつけるよ!仕事も、もっともっと頑張りたいし」 その様子を見ていた志乃が、つまらなそうに入ってきた。 「なんか生ぬるいね」 「えっ?」 たけるは志乃を見た。 「馬鹿らしくなってきたよ」 「どういう意味ですか?」 志乃は軽くため息をついた。 「なんでもない。今日は帰るよ……ゆう、行こ」 志乃はゆうをおこした。 「ハンカチ…」 たけるは優しく笑った。 「いいよ。いつでも」 ゆうは涙を拭いながら頷いた。 部屋を出ると、志乃は煙草に火をつけた。 「何してんのよ、ゆう」 「何って。うるさいわね!志乃は本気で好きになった事ないからそんなしらけてられるんだよ」 志乃はエレベーターに乗り込んだ。 「じゃあね」 志乃は最上階へと上がった。 ゆうは、静かにエレベーターを押した。 たけるは後片付けをし終えると机についた。 そうだ!やらないと… たけるはもくもくとパソコンに向かった。 一気に二時間書き進め、息抜きに外へ出ようとした。 そして郵便受けを覗くと一枚の封筒が入っていた。 だれだ? 裏を見ると、晴子からだった。 慌てて封を切ると芝居のチケットが入っていた。 「晴子ちゃん…」 手紙が入っていることに気付き開けてみた。 たけるさんへ 小説はどうですか?書き進んでいますか? 私の芝居のチケット入れておきます。 時間があれば見にきて下さい。 芝居が終わったあと、会って話したい事があるので、芝居終了の翌日、5時に公園にいます。 晴子 たけるはぎゅっと手紙を握りしめた。 [先頭ページを開く] [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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