晴子は稽古におわれていた。 「あのっ、田辺さん」 広子は静かに振り向いた。 「何?」 「もう少ししたら本番ですね、頑張りましょうね」 広子はあきれたように笑った。 「あんたには負けるわ…そうね、頑張りましょう」 広子は手を差し出した。 「はい!」 晴子は嬉しい気持ちのまま稽古場を後にしようとした。 車が止まっている… ワゴンの中から出てきたのは、森口志乃だった。 「うそっ」 晴子の後ろから凛々が出てきた。 「あれ?志乃ちゃん?」 志乃は笑顔で手を差し出した。 「お久しぶりです」 「今日はどうしたの?」 「もうすぐ初日ですよね?陣中見舞いって思いましたけど、もう終わったみたいですね」 「そうなのよ。今日は主役達が夜取材入っててね…あぁ」 凛々は晴子に向かっていった。 「晴子、森口志乃さん。前に演出した舞台に出てたのよ」 晴子は胸が高鳴った。 「見ました!あたし志乃さん好きなんです!嬉しい」 志乃はクスッと笑った。 「ありがと」 志乃は手を差し出した。 「ありがとうございます」 「……そうだ!これから飲みに行かない?」 志乃はにっこりと笑った。 「いいですね。…彼女は?」 晴子は驚き固まった。 「えっ!?あたしですか?いいんですか?」 「そうだね。晴子も行くか?」 「はい」 三人はワゴンに乗り込み、志乃行き付けのバーにきた。 すると店員が志乃に話かけた。 「森口様。先日のお連れ様がお忘れになったようで」 差し出されたのは腕時計だった。 「ありがと」 晴子はそのうで時計をじっと見た。 あれ?… たけるさんのと… おな…じ? 晴子は志乃に言った。 「その時計!知り合いが持ってます。同じの」 「そう。これはこないだ一緒にきた彼の忘れ物みたい」 「付き合ってる方いるんですね」 志乃はにっこり笑った。 「まだだけどね。ちょっと電話するから先に」 「はい」 晴子が扉をあけ中に入ろうとしたら、志乃が電話から、話し始めた名前にドキッとした。 「たける?」 ビックリした…たけるって。 「日曜に行った所で時計忘れてるよ。 これから飲むからあとで行ってもいい?」 たけるさんと同じ名前に時計…まさかな。 志乃の電話が終わりのみ始めた。 二時間ほどなり解散となった。 「あたしだけ逆ね。じゃ」 凛々に別れをつげ、二人はタクシーに乗り込んだ。 「車…乗れないですけどいいんですか?」 「大丈夫よ。飲む前にとりにきてもらってるから、今頃家にあるわ」 へぇ…さすが… 「でも行く所が同じ方面で良かったわね」 「本当です」 街まで同じ…… まさかな。 「あたし、そこのアパートで」 タクシーはアパートの前で止まった。 「志乃さん、ありがとうございました」 志乃は固まって晴子を見た。 「ここ?」 「はい…そうです」 志乃はフッと少し不適に笑った。 「ここでいいわ」 志乃は支払いをすませおりた。 「志乃…さん」 志乃はゆっくり晴子の方を見た。 「たけるの好きな子って、まさか」 えっ? [先頭ページを開く] [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
w友達に教えるw [編集] 無料ホームページ作成は@peps! |