クローバー 〜1〜

素直

晴子は真理の腕を掴んだ。
「真理ちゃん!」
一瞬泣いているのかと思ったら、にっこり笑われた。
「芸能人って凄いですね」
真理は遠くを見ながら言った。
「どういう事?」
「週刊誌見ました。下田さんとの密会……でも嘘みたいですけど」
「勝さんのは…」
真理は伏せ目がちに笑った。
「なんか疲れちゃいました。勉強してる方が楽です」
「真理ちゃん……ちょっと入ろ?」
二人はコーヒーショップに入った。
「晴子さんは大丈夫なんですか?稽古」
「今日3時からだからまだ大丈夫」
二人はコーヒーを飲みながら、外を見ていた。
「本当に人が多いですね」
「…そうだね」
お互い無言になりながら考えていた。
このまま好きでいていいんだろうか?
二人はお互いの恋は応援しつつ、自分の恋はイマイチ踏み出せないでいた。
「真理ちゃん。
でもあたしは、勝さん…真理ちゃんの事好きだと思うよ。
それにあれは不意討ちってやつだろうし…あたしだって、舞台でキスシーンあったら好きとか嫌いとかなくするしさっ」
晴子は一生懸命明るく言った。
「それを言ったら、たけるさんも晴子さんの事好きですよ!
見てたらわかります」
二人は顔を見合わせ笑った。
『でも自信がないんだよな』
二人のため息まじりの声が重なり笑った。
「まぁ、なるようにしかならないよ!あたしは舞台に集中したいから、終わったら考えるよ」
「あたしは……」
晴子は肩に手をおいた。
「素直になろ?」
「はい」
晴子は真理に手をふり店を後にした。


たけるが授賞式に着くと、後ろから声をかけてきた。
「たける」
その声に振り向くと志乃だった。
「志乃さん…」
「あたしプレゼンターなんだ。久しぶり」
志乃は髪をかきあげた。




[先頭ページを開く]
[指定ページを開く]


<<重要なお知らせ>>

@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
@peps!・Chip!!は、2024年5月末をもってサービスを終了させていただきます。
詳しくは
@peps!サービス終了のお知らせ
Chip!!サービス終了のお知らせ
をご確認ください。




w友達に教えるw
[ホムペ作成][新着記事]
[編集]

無料ホームページ作成は@peps!
無料ホムペ素材も超充実ァ