晴子は真理の腕を掴んだ。 「真理ちゃん!」 一瞬泣いているのかと思ったら、にっこり笑われた。 「芸能人って凄いですね」 真理は遠くを見ながら言った。 「どういう事?」 「週刊誌見ました。下田さんとの密会……でも嘘みたいですけど」 「勝さんのは…」 真理は伏せ目がちに笑った。 「なんか疲れちゃいました。勉強してる方が楽です」 「真理ちゃん……ちょっと入ろ?」 二人はコーヒーショップに入った。 「晴子さんは大丈夫なんですか?稽古」 「今日3時からだからまだ大丈夫」 二人はコーヒーを飲みながら、外を見ていた。 「本当に人が多いですね」 「…そうだね」 お互い無言になりながら考えていた。 このまま好きでいていいんだろうか? 二人はお互いの恋は応援しつつ、自分の恋はイマイチ踏み出せないでいた。 「真理ちゃん。 でもあたしは、勝さん…真理ちゃんの事好きだと思うよ。 それにあれは不意討ちってやつだろうし…あたしだって、舞台でキスシーンあったら好きとか嫌いとかなくするしさっ」 晴子は一生懸命明るく言った。 「それを言ったら、たけるさんも晴子さんの事好きですよ! 見てたらわかります」 二人は顔を見合わせ笑った。 『でも自信がないんだよな』 二人のため息まじりの声が重なり笑った。 「まぁ、なるようにしかならないよ!あたしは舞台に集中したいから、終わったら考えるよ」 「あたしは……」 晴子は肩に手をおいた。 「素直になろ?」 「はい」 晴子は真理に手をふり店を後にした。 たけるが授賞式に着くと、後ろから声をかけてきた。 「たける」 その声に振り向くと志乃だった。 「志乃さん…」 「あたしプレゼンターなんだ。久しぶり」 志乃は髪をかきあげた。 [先頭ページを開く] [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
w友達に教えるw [編集] 無料ホームページ作成は@peps! |