テレビのワイドショーで放送される密会話。 初スキャンダルに、事務所側もてんやわんやになっていた。 しかも相手がエスミュージック次期社長!と書かれていた。 「ゆう!たける口説き落とせたの?」 ゆうが振り向くと、森口志乃がいた。 「志乃…」 「どうなの?」 ゆうはふてくされた感じに言った。 「無理!」 「プッ!あんなに自信満々にそろそろ落とすとか言ったくせに、あはははは」 「じゃあ志乃がやってみなさいよ!こんな記事…余計惨めになるだけよ」 雑誌を叩きつけた。 「あたし?たけるから口説かれた事あるんだよ?そんなのあたしが付き合おうっていや付き合うんじゃない?」 「たけるは今好きな奴がいるって言ってたわよ」 志乃は雑誌を拾い上げ、ゆうの隣に座った。 「まぁ、ゆうじゃダメよね。昔から妹的扱いだったじゃない」 「志乃も無理だと思うけど。…たしかに昔なら志乃がオッケーしたらたける君もオッケーだったと思うけど……ゆうは…」 志乃はゆうを馬鹿にするように見た。 「あんた、いくらでも口説き落とせるような事いいながら…マジなんだ。ふぅん」 志乃はジッと雑誌を見た。 稽古場に訪れた晴子は、週刊誌を見る先輩に軽く挨拶をしたが、その視線の先に複雑なものを感じていた。 たけるさんと…樫本ゆう… すると後ろから中島凛々が現れた。 「あんた達何見てるのよ」 凛々は、たけるとゆうの記事を見た。 「なんか今朝テレビでやってたね」 「中島さん!エスミュージックと交流あるんですよね」 中島さん、去年演出した舞台って、たしか森口志乃が出てたんだ… 「あぁ、志乃ちゃん?そういや樫本ゆうとは同じ学校だったらしいよ。初日に樫本ゆうが見にきて挨拶された時言ってたよ」 「へぇ」 「それより、本番まで時間ないし、そろそろ始めるよ」 晴子は、頭の中は週刊誌の記事の事でいっぱいだった。 「身が入ってないわよ」 休憩中に座っていた晴子に、仁王立ちで広子が言った。 「やる気ないんならやめな」 晴子はハッとし、唇を噛み締めた。 「大丈夫です。やれますから」 晴子は素早く立ち上がり、広子を強い眼差しで見た。 [先頭ページを開く] [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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