あれから何日過ぎた? 毎日、毎日稽古に追われ、たけるさんとちゃんと話せないまま…… 「たっ、大変だぁ!!!」 勝が凄い勢いでアパートへ駆け込んできた。 あまりの声の大きさに二階まで響き渡った。 「うるさいんですよ、中矢さんは」 真理は、付き合おうと勝に言われたが、誰かとキスしたとちょっとヘラヘラしながら言った態度にムカつき、まだちゃんと話し合っていない。 「真理ちゃん大変なんだって!」 「はい?」 真理は、勝が持つ雑誌を見た。 「これーーー!」 真理も物凄い大きな声を出した。 寝ていた晴子はあまりの大きさにぼんやりしながら目をあけた。 たけるは、うざそうにアクビをしながら下へ降りた。 「何があったの?」 「こっ、こっ」 「これ!これ!」 二人の慌てぶりを見て、しぶしぶ雑誌を受け取り見た。 「えっ……えーーーー!」 顔をあげると、二人が大きく首を縦にふる。 たけるは自分を指差した。 二人は息ぴったりに声を出した。 『でしょ?』 そのぴったり感に、真理はハッとし、勝はちょっと恥ずかしそうにニヤついた。 「中矢さん、笑わないで下さい」 「だってさ」 「だってじゃないです」 たけるは二人のやりとりより、雑誌に釘付けになった。 するとうしろから、眠そうに晴子が降りてきた。 「皆、何かあったの?」 たけるは凄い勢いで振り向いた。 「なんでもないから!晴子ちゃん!稽古で疲れてるだろ?寝てなよ!今日せっかくバイトも休みだろ?」 晴子はあきらかに後ろに何か隠したのが気になった。 「たけるさん…何か隠しましたよね?」 「なんでもないから!さっ、上あがろ?」 「わかりました」 晴子はわざとわかった振りをし、上に上がりきった瞬間後ろを振り向いた。 「な〜んて!」 ビックリしたたけるは思わず雑誌を落とした。 晴子は素早く手にとった。 「晴子ちゃん!」 ひらいたページを見て、一気に血の気がひいた。 たけるは雑誌を取り上げたが、時すでに遅し。 「晴子ちゃんっ、見た?」 晴子はたけるの顔を見た。 「付き合って……」 「違う!違うよ!」 晴子はフラフラと部屋に入った。 バタンッ 「晴子ちゃん!……なんでだよ」 たけるは雑誌を握りしめた。 その雑誌に書かれた内容は、「人気アイドル樫本ゆうの深夜の密会!」 たけるとゆうが公園で見つめあってるように撮られた記事である。 [先頭ページを開く] [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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