クローバー 〜1〜

伝える

「あたしもその科目は苦手だから…アドバイスってのは出来ないんだけど」
「晴子さん!誰かと付き合った事はあるんですか?」
「………ない」
「そうですか…」
沈黙。
コンコンッ
晴子が扉をあけると勝だった。
「勝さん!」
晴子は思わず振り向き真理の顔を見た。
「俺もまぜてよ!…って言うか今帰ってきて、作るのめんどくさいから誰かの飯わけて貰おうかと思って!」
晴子は、真理を見て微妙な顔するので戸惑った。
「あっ、やっ、そうですねぇ」
すると真理は立ち上がり台所に立った。
「じゃあ早くしないと、あたし全部食べますから」
真理ちゃんいいのかな?
「マジで!?いやぁ、ありがとね」
勝は晴子の部屋に上がり、カレーをいれはじめた。
晴子は真理の隣に座り小声で言った。
「いいの?」
真理は頷いた。
「まっ、勝さん、今日も仕事ですか?」
「そうなんだよ、ちょっと最近忙しくてさぁ」
勝はガツガツとカレーを食べまくった。
ある意味気持ちの良い食いっぷりに、晴子と真理は思わず笑った。
「なっ、何?」
「いやぁ、食べっぷりいいなって!ね!真理ちゃん」
「そうですね」
「えぇ?そう?そうかなぁ…」
その勝の不思議そうな顔に、二人はさらに笑った。
「わっ、笑うなよ!そっ、それより二人でなんの話してたんだよ!やっぱ恋ばなとかぁ?」
にっこりしていた晴子と真理は思わず真顔になってしまった。
冗談でいった勝は二人の顔を見て気まずくなった。
「ごめん…当てちゃった?」
「いや、あっ、ねぇ!!!あっ、あたしの相談聞いてもらってて」
「そうなの?何?何?晴子ちゃん、もしかしてぇ俺に惚れちゃった?」
「そんなわけないじゃないですかぁ!……あっ」
思わず微妙な空気が流れてしまった。
真理が下を向いたまま大きな声で言った。
「あたしの話してたんです」

「真理ちゃん!」
「真理ちゃんの話?」
真理はまっすぐ勝を見て言った。
「あたし、中矢さんの事!好きみたいなんです!」
勝は持っていたスプーンを皿の上に落とした。




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