田舎から役者になるべく大都会東京にやってきた晴子。 「あたしは絶対舞台役者になるの!こんな狭い世界なんかおさまらないんだからね!」 そうたんかをきって、一時間に電車が二本しかこない街からやってきた。 「今日からここがあたしの城か…」 ボロボロの六畳一間のアパートに入っていく。 「お邪魔しまーす!」 玄関で靴脱ぐのか… えぇ…椿、椿… 「あった!椿!」 このアパートは何号室ではなく全て花の名前で、部屋の名前が決まっている。 晴子は扉をあけた。 「あぁぁ!綺麗…」 窓の外の夕焼けが丁度晴子の部屋めがけ光輝いているように思えた。 晴子は扉を閉めるのを忘れ、夕焼けを眺めていた。 「開けっ放しじゃ危ないよ!」 その声にハッとし振り返った。 「ごめんなさい、ありがとうございます」 晴子はあわてて扉を閉めようとした。 「新しく入ってきたの?」 「はい!川原晴子です!20歳です!よろしくお願いします」 晴子は頭を下げた。 「ご丁寧にどうも。俺、下田たける。向かいの百合。ほとんど部屋にいるからなんかあったら声かけてくれたらいいよ」 晴子は満面の笑みで言った。 「ありがとうございます」 たけるは、部屋に入ろうとし、何かを思い出した。 「そうだ」 たけるはジーンズのポケットから何かを出して、晴子に向けた。 「あげるよ、四葉のクローバー!」 晴子は受け取った。 「ありがとうございます」 「クローバーの四枚の葉には faith = 誠実 hope=希望 love=愛 luck=幸運 この四つの言葉の意味が込められていて4枚そろって Genuine=真実・本物 の力ができあがるんだ。えぇ…」 「あっ、川原晴子です。晴子って呼んで下さい」 「じゃあ、晴子ちゃんに幸せがあるように」 そう言ってたけるは扉を閉めた。 晴子も自分の部屋の扉を閉めた。 「いい人だなぁ…なんか良いことありそう…」 晴子はいつまでも夕陽にそまった四葉のクローバーを眺めていた。 [先頭ページを開く] [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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