「眠い…」 明け方まで、聡と話していたため寝不足の莉乃であった。 庭をひたすら掃き続けていた。 薔薇園を覗くと、玲が手入れをしていた。 「玲様!」 莉乃の声に玲は気が付いた。 「莉乃じゃないの!今日は庭のお掃除?」 「はい、そうなんです。王子様達の専属って言われたんですけど、特に何かあるってわけじゃなさそうなんで、寛一さんがここは王子様達のプライベートの庭だから、綺麗に掃除をするように言われまして」 「そう、しっかり働いてちょうだい」 そう言って、玲はまた薔薇の手入れを始めた。 邪魔しちゃ駄目よね… 庭の掃除が終わり、莉乃が道具を片付けていたら、晶が近づいてきた。 「り〜のちゃん!」 「晶様」 「掃除してたの?」 「はい。次は皆様の部屋の掃除をするよう言われてます。でも…勝手に皆様の部屋って掃除しても大丈夫なんでしょうか?」 「あぁ、五階が俺と聡と光で、六階が望と玲の部屋だよ」 莉乃は頷いた。 「寛一さんから聞いております。じゃあ、今からしますね!」 「昨日…聡…部屋に行った?」 「あ……はい」 晶はニヤッと笑った。 すると晶は莉乃の耳元で言った。 「じゃあヤったんだ」 その言葉に莉乃は固まってしまった。 「しっ、してませんよ!そんなことするわけないじゃないですか!」 晶は少し驚いた顔をした。 「そうなの?ヤってねーんだ」 「当たり前です!あっ……でも」 「でも?」 キスをされて、告白された事を思い出した。 「なんでもないです。あたしと聡…様は使用人と、王子様ですよ!あるわけないですよ!」 「俺は歓迎するよ。そっちもお世話してくれるなら、いつでもオッケーだよ、莉乃ちゃん」 莉乃は少し怖くなった。 「失礼します」 去ろうとすると、手を出された。 「おっと……本当に聡と何もないの?それとも口止めされてる?」 「なんでもないです!」 莉乃は晶を振り切り城の中に入った。 怖かった…… 「莉乃ちゃん?」 顔をあげると光だった。 「顔…青いけどどうした?」 「大丈夫です。今から部屋…掃除入りますね」 「あぁ…」 光の横を通りすぎた。 光はその後ろ姿を見つめていた。 「どうしたんだろう…よし」 そう言って光は、莉乃を追いかけた。 「莉乃ちゃん!俺の部屋きて」 「あっ、はい」 二人は光の部屋に入った。 やっぱ凄い部屋だ… 「座って。紅茶入れるよ…珈琲のがいい?」 「何言ってるんですか?あたしがします!」 「いいから座って」 無理やり椅子に座らせられた。 「はい、どうぞ」 「本当に申し訳ないです」 「飲んだら、部屋の掃除よろしくね!」 「はい!……美味しいです」 「良かった。顔色良くなったね」 あっ…… 「ありがとうございます」 莉乃は優しさに心をうたれた。 「ここは優しい方本当に多いですね…あっ…」 「ん?」 「いやぁ…」 「………なんかされた…とか?」 思わず光の顔をみた。 「大丈夫です。掃除しますね!……でも…光様の部屋凄いですね」 「トレーニングが趣味だからね!莉乃ちゃんもする?ほらっ」 「あはははっ、楽しそうですね!って、掃除しないと怒られちゃう!」 「じゃあよろしく!俺この時間いつも走り込みだから行ってくるよ!」 「行ってらっしゃいませ」 莉乃は頭をさげ、掃除をし始めた。 なんか…晶様怖かったけど、光様と話してたらなんかどうでもよくなってきたな… 頑張ろう! [先頭ページを開く] [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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