「大変申し訳ございません!自分でなんとか探します!」 パニックになっていた。 「大丈夫だよ。気にしないで。これくらい構わないし、元々僕王族じゃないし」 そう言って、聡はにっこり笑った。 あぁ…凄くいい人だ。 「あなたみたいな人が王様になったら、この国は良くなるでしょうね」 「そんなこと言われると照れるよ。ただ、うちは貧乏だったし、僕が王子候補になる事で、家に寄付がもらえるみたいだったから、役にたちたかっただけだよ」 思わず莉乃は聡の手を握った。 「偉い!偉すぎる!あたし、あなたみたいな人に仕えたいって今思った…って、じゃない、思いました」 聡は軽く笑った。 「ここをまっすぐ行けばつくよ。莉乃ちゃん、じゃあ僕の専属になるかい?」 「えっ…本当ですか?」 「あぁ。君とはなんだか話も合いそうだし。旅の話聞かせてよ。それに敬語使わなくていいよ。聡って呼んで?…莉乃ちゃんはいくつなの?」 「17」 「その年で旅してるって何か事情があるんだね。僕は20才。寛一さんには僕から言っておくよ。じゃあ朝9時に起こしてもらえる?」 にっこり笑い大きく頷いた。 「じゃあ…聡…君。明日9時に五階のあの木の前の部屋だよね!」 「あぁ。頼んだよ。そうだ明日他の奴にも紹介してあげるよ」 すると階段から晶が降りてきた。 「あっ!寛一に殴られた子だ!」 二人は声の方を向いた。 「何ナンパしてんだよ、聡。やらしいな」 「お前と一緒にするな。迷ってたから案内してたんだ。今日から使用人になった莉乃ちゃん。莉乃ちゃん、こいつ晶。王子候補の1人だよ」 この人… 「手をふってらした方ですよね?」 「そうそう、俺」 「なんだ、知ってるの?」 手をふっていて、寛一に殴れた話をした。 聡の楽しそうに笑ってる姿を見て、なんだか莉乃は微笑ましい気分になった。 「なに、にやついてんだよ」 思わず晶につっこまれた莉乃は顔が真っ赤になった。 「ちっ、違います!失礼します」 顔をかくしながら走って行った。 なんだか今日1日いろんな事あったけど…いい人多いし、これから…楽しそう…だ…なぁ……… ベットに倒れ込むように莉乃は眠った。 「なぁ晶。あの子僕専属にしたから」 「聡、独り占めは不味いだろ。俺にも味見させろよ。あーゆー純な感じ…」 「僕のいただいた後ならね」 [先頭ページを開く] [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
w友達に教えるw [編集] 無料ホームページ作成は@peps! |