コンコン 望は莉乃の部屋をノックした。 返事はない。 「莉乃!望だけど…話があるんだ」 中から返事はない。 「莉乃…あけるよ」 そっと扉をあけると、中は真っ暗だった。 「莉乃…?」 莉乃は城を出て、城を眺めていた。 莉乃は城に一礼し、歩き始めた。 あたしがいなくなれば、ここは元通りになる。 あたしがいなくなれば… 莉乃は、この国を去る事に決めた。 元々使用人にとして、仕事がしたくてここにきただけ。 お金は貯まったし、また違う所を探してやり直そうと思っていた。 なんだか荷物増えちゃったな… 半年以上も滞在した街…初めてだったな。 ゆっくり今までの事を思いながら、噛み締めながら、ゆっくり、ゆっくり歩いていた。 本当はここにずっといて、聡君、晶様、光様、玲様、寛一さん、…望様…皆と楽しく毎日を過ごせたら、どんなに楽しかっただろう… 涙をこらえながら歩いていると後ろから声がした。 「莉乃――――!」 自分の名前を呼ぶ、忘れたくても忘れられなかった、あの人の声が聞こえる… 聞こえる…はず…ない… 振り返ると望が走ってきて、莉乃を強く抱き締めた。 「馬鹿!1人で行くなよ。僕を…僕をおいていくなよ。ごめん…僕が悪かったんだ!だから…だから…」 莉乃は部屋に、自分がこの国から出る手紙を置いていた。 莉乃は望の背中に腕をまわし、溢れる涙を止める事も出来ず、強く莉乃も抱き締めた。 「望様…あたし…あなたの事が」 好き。 そう言おうとした瞬間、城の使用人達が莉乃と望を取り囲んだ。 「望様」 望は莉乃を守るように言った。 「なんだ!」 「おもどり下さい」 「僕は彼女がここから出るのであれば、僕も出る」 「お父様…神楽王様が倒れられました」 「王様が…?」 [先頭ページを開く] [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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