★パラダイス☆

22

コンコン
望は莉乃の部屋をノックした。
返事はない。
「莉乃!望だけど…話があるんだ」
中から返事はない。
「莉乃…あけるよ」
そっと扉をあけると、中は真っ暗だった。
「莉乃…?」
莉乃は城を出て、城を眺めていた。
莉乃は城に一礼し、歩き始めた。
あたしがいなくなれば、ここは元通りになる。
あたしがいなくなれば…
莉乃は、この国を去る事に決めた。
元々使用人にとして、仕事がしたくてここにきただけ。
お金は貯まったし、また違う所を探してやり直そうと思っていた。
なんだか荷物増えちゃったな…
半年以上も滞在した街…初めてだったな。
ゆっくり今までの事を思いながら、噛み締めながら、ゆっくり、ゆっくり歩いていた。
本当はここにずっといて、聡君、晶様、光様、玲様、寛一さん、…望様…皆と楽しく毎日を過ごせたら、どんなに楽しかっただろう…
涙をこらえながら歩いていると後ろから声がした。
「莉乃――――!」
自分の名前を呼ぶ、忘れたくても忘れられなかった、あの人の声が聞こえる…
聞こえる…はず…ない…
振り返ると望が走ってきて、莉乃を強く抱き締めた。
「馬鹿!1人で行くなよ。僕を…僕をおいていくなよ。ごめん…僕が悪かったんだ!だから…だから…」
莉乃は部屋に、自分がこの国から出る手紙を置いていた。
莉乃は望の背中に腕をまわし、溢れる涙を止める事も出来ず、強く莉乃も抱き締めた。
「望様…あたし…あなたの事が」
好き。
そう言おうとした瞬間、城の使用人達が莉乃と望を取り囲んだ。
「望様」
望は莉乃を守るように言った。
「なんだ!」
「おもどり下さい」
「僕は彼女がここから出るのであれば、僕も出る」
「お父様…神楽王様が倒れられました」
「王様が…?」

[先頭ページを開く]
[指定ページを開く]


<<重要なお知らせ>>

@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
@peps!・Chip!!は、2024年5月末をもってサービスを終了させていただきます。
詳しくは
@peps!サービス終了のお知らせ
Chip!!サービス終了のお知らせ
をご確認ください。




w友達に教えるw
[ホムペ作成][新着記事]
[編集]

無料ホームページ作成は@peps!
無料ホムペ素材も超充実ァ