★パラダイス☆

20

「聡君…」
バタン
扉の向こうで音が聞こえ、二人は離れた。
「誰だ?…ここにいて」
聡はそっと扉をあけた。
しかし人気はなく、飾られてあった花瓶が落ちていた。
「聡君。あたしやるよ」
「あぁ…」
莉乃は花瓶を片付けた。
誰だったんだろう…
二人とも違和感を覚えながら部屋に入った。
「…とりあえず…やっぱ慣れないから着替えるね」
「じゃあ…僕戻るよ。…莉乃ちゃんあのさ」
「ほら、着替えるんだから出てく!出てく!」
莉乃は聡の背中を押し、部屋からだした。
「莉乃ちゃん!」
バタンッ
莉乃は力強く扉を閉めた。
もしかして…望様?
その妄想にとりつかれ、いろんな事を考えすぎて余計に滅入っていた。
聡が莉乃の部屋を去り歩いていると声をかけてきた。
「聡」
聡は振り向きもせず立ち止まった。
「何かようかよ」
聡の側に近づいてきた。
聡はゆっくり振り向いた。
「お前だろ?莉乃ちゃんの部屋の前にいたの?‥望」
「だったらなんなんだ?」
「やらしい奴だな。莉乃ちゃんの後ばかりつけるんならはっきりさせたらどうなんだ?」
「聡…」
「なんだよ」
「莉乃を幸せにしてやってくれ」
聡は言葉を失った。
「……お前…」
好きなんじゃないのか?
そう言おうとしたが、望は頭を下げ去っていった。
「望…」
聡は望の後ろ姿をじっと見ていた。
莉乃は着替え直し、部屋を眺めていた。
やっぱあたしには合わないよ。
それにいい部屋にいると、昔を思い出す。
あの辛かった時代。
コンコン
部屋をノックする音が聞こえた。
「はい」
莉乃が返事をし扉をひらくと玲と光がいた。
「どうなさったんですか?」
「こっちに移ったって聞いたから!そこで光とあったから連れてきちゃった!」
光様…
好きって言われたんだよな…
なんか逃げちゃったけど…
「よっ!」
「どうも…」
玲は不思議そうに二人を見た。
「何よ二人とも!陰気くさいわねぇ!何々?光ちゃん莉乃に告白でもしたの?」
「なっ…何言うんだよ玲!」
光は顔を真っ赤に否定した。
「あら…マジで?」
「あっ…あのぉ」
莉乃もなんて答えていいかわからなくなった。
「莉乃!珈琲のも!珈琲!」
玲が慌てて言った。
「はい!あっ、入れます、入れます!どうぞ」
むちゃくちゃ意識しまくりだよあたし…
「あら、綺麗な部屋ね!ねぇ光」
「そうだな」
あまりにもテンションが落ちてる光に無理やり玲はテンションを上げようとした。
「莉乃良かったねぇ、前の部屋狭かったし!」
莉乃は珈琲を作りながら答えた。
「でもあたしにとったらあの狭さになれてしまって…落ち着かないです。あっ、どうぞ」
珈琲カップをテーブルにおいた。
コンコン
また扉を叩く音がした。
「はい」
莉乃は扉をあけると使用人がいた。
「玲様いらっしゃいますか?」
「あっ…はい…玲様!」
「どうしたの?」
「玲様、来客が…」
玲は一瞬きょとんとしたが、すぐに何かを思い出した。
「いけない!忘れてたわ。じゃあ莉乃行くね」
そう言って玲は部屋を出た。
「えっ、あっ、あの!…」
二人きりは今きついです…

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