「住み込みの使用人募集…住み込みって事はホテルとかマンション見つけなくても、家賃ただで働けるんだよね!!よし!ここ行ってみよう」 莉乃は、この国の中央にある城までやってきた。 城の前には怖そうな番人がいた。 「あのぉ、住み込みで使用人募集してるって紙見たんですけど…」 番人は無表情のまま城の勝手口の扉をあけた。 「このまま右へまっすぐ行くと使用人用の家がある。そこにいるものに聞いて下さい」 「ありがとうございます」 莉乃は言われた通り右に歩きだした。 しかしここは広いなぁ… しばらく歩くと池が見えてきた。 そこで1人の男性が立っていた。 「あのぉ、使用人募集の貼り紙見てきたんですけど、使用人の家ってまだ先ですか?」 池のほとりで魚を見ていた男性はゆっくり立ち上がり、莉乃に近づいてきた。 「若そうだけど、いくつ?」 「17です。駄目…ですか?」 「うち住み込みだけど、家は?」 「家ないんです。両親共亡くなってしまい、仕事をずっと続けられそうな所を旅して今日ここに着いたんです」 「そう…大変だね」 そう言って男性はフッと微笑んだ。 凄い綺麗な人だ… 思わず莉乃は見とれてしまった。 すると、使用人の服装をした男性が走ってきた。 「望様!いかがなされましたか!貴様!何者だ!」 えっ!? 「いや、あたし、使用人の」 「怪しい奴めが!」 莉乃は使用人に腕を羽交い締めにされた。 「ちょっ…」 すると望が使用人の腕を掴んだ。 「望様!」 「彼女放してやって。僕が呼んだんだ」 すると使用人は慌てて手を放した。 「申し訳ございません!」 何がなんだかわからず、莉乃がキョロキョロしていると、望が莉乃の方を向き微笑みながら言った。 「今日から君はここの使用人だよ。よろしくね」 そう言って、莉乃に手を差し出した。 「あっ、よろしくお願いします」 握手を交わした。 「彼女を部屋へ案内してあげて」 「かしこまりました。こっちです」 「じゃあまた後で会おうね、旅人ちゃん」 そう言って望は歩いていった。 莉乃は去って行く望に何度も「ありがとう」と叫ぶと使用人の後をおった。 「あのぉ…すみません!あの方誰なんですか?」 「知らずにきたんですか?…呆れた。ここの王子候補!次期王様最有力候補の、望様。現王様の息子様ですよ!」 え―――――!!! 馴れ馴れしく話ちゃったよ… でも凄く気さくないい人だったなぁ… 王子ってもっと位が高いからツンケンしてると思ったけど。 その莉乃が歩いている様子を窓から覗いてる人がいた。 「あの子可愛いな…」 [先頭ページを開く] [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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