莉乃は光の部屋にいた。 「もう光様ったら!あんな薄着でいつもしてるからですよ」 「だって、汗かくし…ごほっ」 光は風邪をひいていた。 莉乃は付きっきりで今看病をしていた。 頭のタオルを変えながら光をみていた。 「早く治して下さいね。仕事たまってるんですから」 「うん…」 「ぶっ」 「なんで笑うんだよぉ」 「いつも元気な光様が、『うん…』って力なさげに言うから可愛いなって」 光は少し赤くなり、布団をかぶった。 「冷たいもの食べたい」 布団の中から光が言った。 「クスッ、アイスかなんか持ってきますね」 「うん」 布団をかぶる光がなんだか莉乃は可愛く見えた。 莉乃は立ち上がり、光の部屋を出た。 出ると、聡が立っていた。 「光は?」 「熱はかなり下がったよ。あと一押しって感じかなぁ?」 聡はそれを聞き少し顔を赤くし、手で顔を押さえながら言った。 「俺も風邪ひこうかな…」 その言葉に莉乃は笑った。 「じゃあ看病してあげるよ」 二人は階段を降りていった。 上の階から歩いていた望は立ち止まっていた。 「何見てらっしゃるの?」 後ろから都が話かけた。 「なんでもない」 そう言って、都を無視し、階段を上がろうとした。 すれ違った瞬間都は、望の手を握った。 無言のまま望は都を見た。 「あたしじゃ駄目なの?あたしずっと望さんの事…愛してるのよ?」 望は視線をそらし、手をはなした。 「僕は誰も愛さないよ」 そう言って階段を上がって行った。 都は唇をかみ、涙をこらえていた。 嘘つき!そんなにあんな女がいいの?… 都は愛情よりも憎しみの方が越えようとしていた。 莉乃は、聡と別れ、光に渡すフルーツやアイスをトレーにのせ、光の部屋に向かっていた。 「運ぼうか?」 声の方を向くと、晶だった。 「晶様」 「光のだろ?持っていってやるよ」 「大丈夫ですよ、これくらい!」 しかし、晶はトレーを手にとった。 「俺も男だよ。貸しなって。ずっと看病してただろ?これくらいしてやるよ」 莉乃は微笑んだ。 「晶様にもそんな所あるんですね」 「おいおい、それどういう意味だよ」 「そのまんまですよ」 二人で見あって笑った。 「そういや莉乃ちゃん、聡とつきあってんだって?」 莉乃はちょっと戸惑ったが、笑って言った。 「えぇ、そうなんです」 「じゃあもうヤったの?」 「またそれですか?しませんよ!そんなこと!聡君は優しいですから!晶様みたく誰でも口説くような人じゃありませんから」 っていいながら、無理やり最初の頃キスされたけど… でも今はキスもしてないし、間違いじゃないよね。 「俺だって選んでるよ。誰でもってわけじゃないさ。なんなら俺とも付き合う?俺別に他に男いても構わないよ」 そう言って、莉乃にむかってにっこり笑って見せた。 「またそんな事言って」 光の部屋の前についた。 「はい、ありがとうございます」 そう言って、晶からトレーをとった。 晶はにこりと笑い、莉乃に顔を近づけた。 「あっ…」 [先頭ページを開く] [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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