莉乃は朝日が眩しく目が覚めた。 振り返り、望の髪を撫でる。 さらさらだな… しばらくボーッと寝てる姿を眺めていたが、起き上がり服を着替え部屋を出た。 「今日も働きますか!」 気合いを入れ、莉乃は歩き出した。 外に出ると、光がストレッチをしていた。 「光様。おはようございます」 莉乃は軽く挨拶した。 「早いね……なんで城から出てきたの?」 「あっ……」 莉乃はなんていいか分からず言葉につまった。 光はタオルをとり汗をふいた。 何も言わず莉乃の横を通り過ぎた。 莉乃は振り返ったが、急ぎ足で自分の部屋へ帰った。 朝食の時間がやってきた。 基本的に全員で食事をする事になっている。 王様、王妃様、ご子息、ご令嬢、そして王子様達。 誰も話す事なく、たんたんと食事は進む。 その日1日のスケジュールが確認し、告げられる。 それぞれ個々に席を立っていく。 「望さん」 望に声をかけたのは、現王様のご令嬢である。 「都…何か用か?」 「あら、どうなされたんです?怖い顔して」 「お前に関係ない。用がないなら行くからな」 望は都に吐き捨てるようにいい去った。 「都ちゃん、今日もフラれちゃったね」 「晶さん。聡さん」 都が振り返ると晶と聡が立っていた。 「望は諦めた方がいいんじゃないのか?俺も将来王様よ?俺にしなよ」 「晶さんでは駄目ですわ。望さんじゃないと」 「許嫁なんだから、躍起にならなくいいんじゃないの?」 聡が間をさすように言った。 ガシャン 食器の落ちる音に三人は振り返ると、莉乃が食器を片付けようとしていた。 「莉乃ちゃん!」 聡は莉乃に駆け寄った。 「あの専属の子、使えないわね。失礼するわ」 都は、莉乃を見下した視線のまま歩いて行った。 「莉乃ちゃん大丈夫?怪我しなかった?」 「聡君ありがとう。大丈夫。大丈夫だから…」 晶が二人に近づき言った。 「さっきの会話莉乃ちゃん聞いてたんだろ?」 莉乃は思わず固まってしまった。 「だとしたらなんだよ、晶」 晶はふっと笑い言った。 「俺見たんだよな、今朝莉乃ちゃんが望の部屋から出てくる所」 聡は莉乃の肩を強くもった。 「莉乃ちゃん!本当かい?」 莉乃は何も語らず食器を抱え走りさった。 「ビンゴ!先越されちゃったねぇ聡」 「うるさい」 聡は晶を押しのけ歩いて行った。 「晶!あんまり聡をいじめちゃ駄目じゃないの」 振り返ると玲がいた。 「玲か……だって面白いじゃないか!どっちが勝つかねぇ」 「あら、晶は参戦しないの?」 「そうだなぁ…俺は女だったら誰でも構わないからなぁ…なんならかき回してやろうか?なーんて」 晶は笑った。 「悪い子ね…玲はどうしようかしら」 [先頭ページを開く] [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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