恋人契約

契約7

「話?」
「会って話したいんだけど…いいかな」
昼間の映像が焼き付いたまま、指定されたバーについた。
するとタクミの顔が赤く腫れていた。
「どうしたの?顔」
「ちょっとね…」
あきらかに誰かに、ひっぱたかれた感じがする。
「話…って?」
「あの契約…なしにしたいんだ」
「えっ…」
「なしにしてちゃんと付き合って欲しい」
思わず立ち上がった。
「私の事騙そうとしてる?」
「なんで?…座りなよ。僕本気だよ。」
「彼女…いない?私今日見たんだ。女の子と歩いている所」
「見たの?…実は…彼女とは別れたんだ。たんなるゲーム感覚でしてるのなら、女友達だっているし、何も思わなかったけど、気持ちが違うんなら…ちゃんとしようと思って」
「だから…」
タクミは頷いた。
「女性でも殴られるといたいもんだね」
そう言って二人で笑った。
「年下で頼りないけど、頑張って守りますよ、お姫様」
「じゃあ王子様ちゃんと守ってね!なーんて。でも彼女いたんだね。チャットでもいないような感じしたけど。まぁだから私…」
「無理やり言われたんだ。断ったんだけど、付き合わないと合うかどうかも分からないだろって言われて…」
「押しに弱いんだね」
タクミは苦笑いを浮かべた。
そして二人で深夜まで飲んだ。

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