恋人契約

契約5

「どうして…?」
「したかったから」
言われたままお互い見つめあったまま気が付くと下まできていた。
タクミが先におり、背中を見つめたまま歩いた。
私もなんとなく流れでしちゃったけど…
どんな表情してるんだろう…この微妙な距離。
今の私達の距離なのかもしれない。
あくまで私達は契約してるだけで、友達のような友達じゃないような…でも友達とキスはしない。
もう彼には許してるって事だよな。
タクミが振り返った。
「送るよ」
「うん…」
タクシーに乗り込むもタクミはずっと外を向いたまま。
この空気やだな…
「ユイ」
タクミの方を向いた。
「僕さ…」
タクシーが止まる。
「何?」
「また…連絡するよ。服借りるよ」
「うん…おやすみなさい」
バタン
ドアをしめ、タクシーが見えなくなるまで見ていた。
何を言おうとしたんだろう…
このまま付き合おう?とか???
だったら嬉しいんだけど。
………私完璧ハマッてる。
年下なんて部下ばっかだし、使えないヤツ多いし!
だけど…タクミはチャットの時から同じくらいに思ってたせいか…
あぁ!ダメだ!
次会ったら私絶対ヤバい。
そういう関係になっても…
しかしそれから毎週のように会っていたのがパタッと止まった。

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