恋人契約

契約3

会うのは土曜の夜。
ご飯を食べお酒を飲む。
契約はしても私達は恋人ではない。
親にはもちろん紹介した。
彼はもの凄く完璧に演じ、すっかり二人とも彼を気に入ってしまったのである。
世の中にそんな人いるんだ!?
と驚くくらいに…
今日はすっかり飲み過ぎたようだ。
「タクミは優しすぎるのよ!だってぇ〜聞いてる?」
「聞いてるよ、ユイ。明日休みだからって飲み過ぎだよ!送るから」
タクシーに乗ってる間もずっと絡んでいた。
「部屋302だよね」
「私ね!初めましてなの!親にぃ紹介してぇ…なんっっっにも」
「着いたよ!カギは?」
「はあい!ユイちゃんカギ出しま〜す」
中に入ったものの、一気に気を失ったユイ。
「ユイ!」
ダメだと感じたタクミはユイをベットまで運んだ。
「大丈夫だろ…」
タクミが去ろうとした瞬間、ユイはタクミのスーツの端を持った。
タクミは振り返った。
「行かないで」
ユイは泣きながらタクミのスーツの端を掴んでいた。

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