「ユイ…?洋ちゃん…」 「タクミ!!」 足が震えて、血の気がひいてくのがわかった。 「洋ちゃんコレ忘れてるよ」 そう言って水橋にマフラーを渡して、タクミはすぐさまエレベーターに乗り上がった。 「タクミ!」 ユイはその場を動けずにいた。 「田辺さん。僕と君とは最後まで関係を持ってないよ」 えっ… 「でも私…」 「昨日たしかに、君に一目惚れをして、酔ってる君を部屋につれて行った。キスをすると君は答えてくれた。そのままベットに」 「でも洋服私着て…」 「うん。脱がせて、答えてくれたよ。だけど、僕に抱きつくと君は僕の事をタクミって呼んでひどく泣いてね。泣いてる君にたいして、あれ以上無理にする事は出来なかったよ」 「私…」 「タクミにたいして、何か言えない本音でもあるんじゃないのか?泣きながらずっと好きだって言ってたよ。タクミ…もうすぐNYに行くんだろ?仕事よりついて行きたいんじゃないのか?」 まるで鈍器で殴られたように、頭が痛くぐるぐる回った。 その後、水橋さんは何かを言っていたが聞こえなかった。 気がつくとエレベーターに乗っていた。 そうだ、まずタクミに謝ろう。 許してもらえるかわからないけど。 最後までしなかったにしろ、タクミを想像して水橋さんとしようとしてたなんて、妄想にもほどがあるよ私。 しかも覚えてないし。 無意識の中の自分が出たんだな、きっと。 ついて…行きたいのかな… でも仕事が… エレベーターをおり、部屋の扉をあけた。 「ユイ!」 ケンが慌てている。 「ケン、どうしたの?」 「タクミと会わなかった?荷物まとめて急に出ていったんだ!」 嘘… そう言えば隣のエレベーターが下がって行ってた気が… 「すれ違いになったんだね、ユイ…なんかあったの?」 玄関で崩れ落ちてしまった。 [先頭ページを開く] [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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