定時に帰れるわけもなく、8時の約束に間に合わないかもしれない! タクシーで飛ばすけど…… メール。 タクミ君。 ごめんなさい!今すぐ行きます! お釣りを貰うのも忘れて駅にダッシュ。 右手にぴあを持ってる人… 右手に… あっ…あの人? 嘘! 同じ年くらいかと思ったのに若い… どうしよう。 なんとなく鏡をとりだし身だしなみをチェック。 でも本当は、架空の恋人契約を結んだ人。 別に意識しなくてもいいわけで。 「遅れて申し訳ありません『ユイ』です」 「ユイさんですか?初めましてタクミです」 手を出され思わず握手をする。 「予想通り綺麗な方ですね」 あら? 「そんなことはありませんわ」 「でもこんなお綺麗な方があんな文章書くんですね!ある意味素敵です」 うっ… 痛い所を! たしかにチャットではかなりいつもキレまくってるので、こんな丁寧には話さない。 「食事しました?」 「さっきまで仕事してたんでまだ…」 「じゃあいきましょうか。…あっ」 「なんです?」 「僕達恋人ですから手…繋ぎます?」 やだ… ちょっとドキッとしちゃった。 「じゃあ」 ヤバい! 手なんて何年握ってないのよ… 「敬語も…無しにしよう!タクミって呼んで?」 「じゃあユイで」 契約は半年。 可愛い系は付き合った事ないけど、この子いったいいくつよ! 「あぁ、タクミはいくつなの?」 「26だよ。今年7になる」 「若いねぇ、その頃に戻りたい」 その時には彼氏くらいいたわよ! 父親が彼氏を調べ、後をつけたりして、どんなやつなのか見極めるとか半年も彼を見て……ノイローゼ。 こっそりやるならまだしもおもいっきり分かるように付きまとわれたら… 犯罪だよ犯罪! 彼女の親だから何も言わないが、結果別れ父親が言った台詞。 「すぐ別れたじゃないか!」 誰のせいだ! まぁあの後仕事は順調で、女とはいえ任される仕事も多くなりもう1人で生きて行こうと決めた途端見合い話… しかも私の嫌いなタイプ! 誰が嫁ぐものですか! 「ユイはいくつなの?」 「えっ?」 「女性に年齢聞くの失礼かなぁ?」 「いや……30…」 めちゃくちゃ小さい声で言った。 「年上かぁ。同じくらいに見えたよ」 ぱぁと明るくなる。 「本当?」 「チャットでも若くして任されてるって感じ受けたし、僕も見習わなきゃって思ったんだよね」 この人… さらりとツボにハマる事言うわね。 「でもなんで恋人契約なんか…」 「会いたかったんだ、どうしても。ブチキレたり、泣いたり、笑ったり、素直に感情出すユイに。絶対素敵な人だと思ったから助けたかったし」 この契約… 本契約はアリですか? [先頭ページを開く] [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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