3月14日。 この日、バレンタインデーにチョコを渡したお返しに、1日遊んでくれると言うので、動物園にいる。 しかし、あたしが上げたからではなく、彼女とデートが流れたからここにいる。 その事にムカついてきた。 「彼女がいた」と言う事にはなんとも言えない絶望感?切なさ?みたいなものもあった。 それがなんでそう思うのかわからないが、それよりだんだん怒りが込み上げてきた。 「あたし、帰る」 そう言って、和彦を横切り歩き出した。 「ちょっと待てよ!」 腕を捕まれたが、振り払い無言で歩いた。 「由香、ちょっと待て」 和彦は由香の前に周り制した。 「何にムカついてんだ?子供扱いしたのは謝るよ。機嫌直せよ。久々だろ?動物園きたの」 横を向きながらあきらかにわかるように、ため息をついた。 「帰るから。邪魔なのよ」 冷めた口調で言った。 すると和彦もムッとして言った。 「お前すぐムカつくと、なんにも言わずそういう態度とるよな。 言わなきゃわからないだろ? お前の事よく知ってるけど、言わなきゃわかんない事だってたくさんあるんだぞ」 無言でうつむいた。 頭をかきむしった和彦は、怒りを抑えながら言った。 「由香、ちょっと座ろう…な」 そう言って、由香の手をとった。 ふてくされながら、手をひかれ由香は和彦の後ろ姿を見ながら歩いた。 なんであたしもこんなにムカついてんだろ。 でも和くんは今まで何があっても側にいてくれた。 どんな話も聞いてくれた。 でも… 二人はベンチに腰かけた。 うつむく由香に、和彦が覗き込むように見つめた。 右手をにぎり話しかけた。 「ゆ〜か!ほら、もう怒んないから話してごらん」 「うまく…言葉に出来ないよ…」 「…そっか…」 そう言うと手を放し、和彦は前にいるキリンを眺めていた。 やっぱり和くんはこうして隣にいてくれる。 でも和くんは、幼なじみで、それ以下でもそれ以上でもない。 なんでこんな事、さっきからぐるぐる回ってる。 泣きそうだよ、和くんの優しさにも… 「由香、知ってるか?」 優しいトーンで和彦は言った。 泣きそうな気持ちを抑えながら、和彦の方をむいた。 「何?」 和彦はキリンを見ながら切り出した。 いっ、今… 和彦を突き放した。 「和くん今…」 口を押さえて真っ赤になった。 [先頭ページを開く] [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
w友達に教えるw [編集] 無料ホームページ作成は@peps! |