3月10日。 卒業式。 今日、由香の卒業式だ。 そして、俺の旅立ちの時だ。 今日この街を出ていく。 大学も受かり、住む場所も決め、卒業もした。 綾瀬とは卒業式に 「元気でな」 そう少し会話しただけで終わった。 「かず!大丈夫?行こうか?」 「大丈夫だよ!もう俺春から大学生だよ。じゃあ行ってきます」 玄関を出て、由香の部屋を眺めた。 「行ってきます」 クリスマスに由香を見かけて以来、由香を見かけてない。 当たり前だけど、今年はチョコももらってない。 母親から、バレンタインに受験だったらしく、「今年は渡しにこないね!」なんて言ってたが、来年もあるわけがない。 でも行きたがってた学校も合格したようだし、良かった。 やっぱりあの前にも会ったが、あの子と付き合ってるようだし、幸せになって欲しい。 駅に入り電車を待っていた。 「和くーーん!」 聞き慣れた声に振り返る。 制服に、赤いカーネーションを刺したまま、由香が走ってきた。 「由香…」 「はぁ、はぁ、はぁ…おばさんに…今日行くって聞いて」 「あぁ…うん。お前今日卒業式だろ?」 息を整えながら、激しく頷く。 「今終わって…友達と…その…おじさんに送ってもらって」 「あぁ…まだ電車こないから落ち着いて話せ。なっ?」 由香は頷いて笑った。 「あのね、あたしやっぱり好きなの。何があっても! どんなことされても!」 えっ… 「和くんが誰を好きでもあたしは和くんが好き!以上告白でした!」 由香が照れながら笑っている。 ヤバい…涙が… 「和くん…泣いてるの?」 「泣いてねーよ!つーか、遅いんだよお前!」 そう言って由香を抱き締めた。 「俺もお前が好きだよ。愛してる。」 「うん……遊びに行くからね」 「俺も会いにくるよ…」 それをホームの端で見ている加奈子。 「良かったぁ、由香…私まで泣いてる。つーか、幼なじみ超イケメンだし!ヤバいムカついてきた。私絶対、イケメンGETしてやる!」 そして。 「チョコ完成!」 「じゅんに渡してくるね!!」 「早いよ、加奈子!」 「善は急げってね♪また明日ね〜」 さてと、あたしも行くか。 正月以来久々に会う。 喜んでくれるかな。 「由香!」 「和くん!はい、チョコ!去年渡せなかったから、 でかいよ!」 「でかすぎるよ、由香……一緒に食うか?」 「そう思って、あたしの好きな感じにしてみた」 「ちゃっかりしてんな、お前…ふっ…あはははっ」 「あはははっ」 これからもずっと一緒だよ! これからもずっと一緒にいような! [先頭ページを開く] [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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