a childhood friend


9月30日。

今日は和くんの高校の文化祭だ。
和くんが一緒に回ろうと言ってたので、1人できている。
校門で待ち合わせてるが、少し暇なので、回ろうとしてた。
やっぱり中学と違い、いろんなのあるよなぁ…
なんとなく回りながら歩いていると少し迷ってしまった。
もうすぐ待ち合わせ時間だけど、校門右だっけ?左だっけ?
その前にトイレ…
入ろうとすると声が聞こえた。
「それで奈々子どうしたの?」
「キスした」
「キスしたの?」
恋ばなだ。
中に入って、トイレ入った。
「うん。なんか一之瀬君見てるとね」
「付き合ってはいないんでしょ?でもずっと遊んでたの?」
「うん、家族の人には彼女と間違えられたけど、一之瀬君途中弁解してたけど、最後は何も言わず遊んでくれたよ」
「でもたしか年上の彼女いんじゃないの?」
この話…一之瀬君って…
「別れたって」
「じゃあチャンスじゃん!奈々子仲いいんだし、一之瀬も奈々子の事いいって思ってるからキスしても普通なんじゃない?早く付き合いなよ〜」
どういう事?
キスした?
一之瀬……やっぱ和くんの事?
「あたしもそうしたいんだけどさ。なんか年下の、幼なじみの子がいてさ」
「あぁ、なつかれてる系?一之瀬、人良いから突き放せないんじゃん?」
あたしの事?
「だからなんかそれ以上進まなくてさ。大学別だし、卒業までになんとかしたいんだけど」
「今日の夜のダンパでモノにしたら?」
「まぁ、誘うけど」
バタン
扉がしまった。
由香はトイレのドアをあけた。
あれ…和くんの話だ…
顔…よく見なかったけど、あの可愛い声の人と…
一回挨拶された…あの人と…
いつ?
あたしと付き合う前じゃない感じだったし、あたしの話してた…
なんで…

「由香!回ろうか!」


走りながら泣いてた。
認めた。

あたしが知らない間に…
あたしの存在って何?
駅についた。
もう帰ろう…
こんな所いたくないよ…
「由香ちゃん?」
遠くに孝平がいて近づいてきた。
木谷君…
「由香ちゃん、どうしたの?」
思わず孝平に寄りかかり泣いた。
「由香ちゃん…」
孝平はそっと肩を抱いた。

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