8月15日。 母親の実家にきている。 「よくきたね〜和彦」 「おばあちゃん久しぶり!今年受験で、正月これるかどうかまだわからないから、遊びにきたよ」 小さい頃からここの土地がすきだった。 都会に住んでた自分にとって、田舎は心安らぐものがあった。 「散歩してくるよ」 川沿いを歩きながら写メを撮る。 由香に送信しながら、ボーッと歩く。 ん?あれ…… 「あっ、一之瀬君!」 「綾瀬……あっ!そっか…」 実は綾瀬の父親の実家とおれの母親の実家が同じだと話した事がある。 しかしこんなタイミングよく… 「まさか会うとはね」 「だな」 奈々子は川を眺めながら言った。 「実は…会えるの期待してたって言ったらどうする?」 「えっ…」 お互い顔を見合せる。 奈々子は笑って言った。 「なんて、ジョーダンだよ、ジョーダン!」 「あっ、だよな!びっくりしたよ」 お互い笑っていたが、微妙な緊張感があった。 でも綾瀬のやつ、俺の事好きだとか言ってたし… でもあの後も普通だったし、気にしなくていいんだよ…な… 会話につまってしまった。 「あたし、行くね」 「あぁ」 「あっ…そうだ!今日お祭りあるんだって、行かない?」 「いいよ」 「じゃあ神社の前に7時ね!」 奈々子は去っていった。 7時。 神社前で奈々子を待っている。 「一之瀬君!」 浴衣姿の奈々子が現れた。 「これ、ばーちゃんのなんだけど、柄可愛いよね」 「よくにあってんじゃん!可愛いな」 「あっ……」 和彦は微妙に奈々子が赤らめた事には気付かず歩き出した。 色々な屋台を周りながら、学校の事やテレビの話で盛り上がった。 「一之瀬君!花火、こっちのがよく見えるんだよ」 走ってく奈々子を見ながら、由香と昔行ったお祭りを思いだし、思わず二人を重ねて見た。 すると奈々子がつまずきこけかけ、和彦が支えた。 「大丈夫か?」 「ありがとう、一之…」 近距離で目があい、固まってしまった。 「一之瀬君…」 ドーーーン! 花火が上がった。 お互いの体が離れた。 俺、今一瞬ヤバかった? やべっ、ドキドキしてる。 「きっ、綺麗だな、綾瀬!」 奈々子はうつむいたまま返事をしなかった。 ヤバい、この雰囲気。 奈々子に背を向けた瞬間、奈々子が腕を掴んだ。 振り返った瞬間、体をひっぱられキスをした。 「ん…綾瀬!お前また…」 「ごめん、友達って言ったけどあたしやっぱり、一之瀬君の事が好きなの」 そっと和彦の手をとった。 「ここにいる間だけでかまわないから、あたしといて?」 綾瀬のこんな顔見たの初めてだ… [先頭ページを開く] [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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