a childhood friend

友情

7月2日。

「一之瀬君」
生徒会室でボーッとしてた所を、奈々子に話しかけられた。
「ここにいた。隣いい?」
軽く笑い頷いた。
そして和彦は思い出した。
「昨日ごめんな」
「あっ、いいよ別に……ってまぁ気になったから探してたんだけど」
お互いふっと笑った。
「……これからいう事は聞き流してね」
ん?
まっすぐ外を見ながら話す奈々子を見た。
「最近一之瀬君がボーッとしてるの、彼女と別れたからと思ってた。
でも昨日の一之瀬君を見て、違和感感じて…
悪いと思ったけど、時田君に聞いたら、一之瀬君から別れ話したって聞いて、もしかして昨日のあの子が原因なのかなって。 ……一之瀬君。いつも皆の輪に入りたがるくせに、いつも一歩ひいて見てる。なんかあったらいつも的確に答えるし、やっぱ大人な彼女いるから精神的に大人なんだなって思ってた。
でも最近、輪にいてひいてるけど、皆の話を聞きたいとか見てるのが楽しいからひいてるんじゃなくて、
無理に輪にいるけど、1人になりたいような感じした。
まだ1年の付き合いだけど、ずっと見てきたからわかるよ。
…話したくないなら無理に聞かない。
けど、アドバイス出来ないかもしれないけど、聞く事は…」
和彦の方をむいた。
「出来るよ」
しばらく見つめあったのち、和彦は目線を外して言った。
「さんきゅ」
すると奈々子の体が近づきキスをした。
「女の子はあの子だけじゃないよ」
ニヤッと奈々子は笑った。
「綾瀬!」
すると奈々子は立ち上がった。
「そんな顔するんだもん、キスの1つや2つ!したくなるじゃない?」
「じゃないだろ!」
「だって、一之瀬君鈍いんだもん。あたしの気持ちなんて全然気付いてないでしょ?」
えっ……
「でもわかってるよ。友達だもん。
去年彼女いるって知った時から、友達でいようって思ってたから!
さっきのは、元気になれの励ましのキス!あの子が好きなら、ちゃんとものにしなよ!
じゃないと、キス以上の事…しちゃうからね!
じゃあ次移動だから行くよ!先生には腹痛で死んでるって話しとくから、ここでせいぜい悩みなさい。
でもここでたら、行動しなさいよ!ばいばーい!」
「綾瀬!」
奈々子は教室を出た。
あいつ…
言うだけ言って俺の話なしかよ!
しかし今まで気付かなかったな。
どんだけ鈍いんだよ俺!
でもたしかに、行動するしかない!
由香にちゃんとわかってもらうしかない。


しかし…唇柔らかかったな…
何考えてんだ俺…
とにかく、話合えるまでしつこく思われても話そう。

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