5月14日。 風邪をひいた。 「由香ちゃん、8℃越えてるじゃない!今日はおやすみなさい」 こどもの日から1週間が過ぎ、またずっと考えていた。 昨日長風呂をし、髪も乾かさず、ぼんやりアルバムを見ていた。 風邪をひいた。 「お医者様には電話したからね」 「大丈夫だよ、ほら仕事行きなよ」 「何かあったらすぐ電話するのよ」 「わかってる」 母親を見送った。 母親が作ってくれた雑炊をすすり、静かな家を眺めた。 病院…いこ ゆっくり用意をし、玄関を出ようとすると、加奈子からメールがきた。 『大丈夫だよ(*^-^*)これから病院行ってくるよ(>_<)』 これでいいかな… 玄関を出ると、学校へ行こうとする和彦がいた。 「あっ…」 由香は無視して歩き出した。 「由香!」 和彦に腕を捕まれたが、風邪で頭が回らずふらついた。 「風邪ひいたのか?」 和彦は心配そうに、由香を見たが、由香は無視し、腕を振り払い歩き出した。 早く…病院いこ… 和彦は追いかけてはこなかった。 「ありがとうございました」 薬をもらい歩いていると、玄関前に和彦が座っていた。 あっ…和くん… どうしよう… 早く寝たい… 角で止まって、考えていた。 和くん… 「別れるから」 和くん… ダメだ…頭働かない… ゆらゆらと歩き出した。 和彦は由香に気付き立ち上がった。 「由香…病院行ってきたのか?大丈夫か」 回らない頭で答えた。 「学校……行きなよ。受験生でしょ」 冷たく突き放した。 鍵、早くあけなきゃ 「じゃあね」 邪険に扱ったまま家に入ろうとすると和彦が言った。 「俺、ちゃんと別れたから」 バタンッ 扉を閉めた。 ……知らないよ… 自分の事ばっかりじゃん… 部屋に入り、ベットに倒れた。 天井を見上げ、棚の写真立てに目を向けた。 …お兄ちゃんが良かった… こんなに辛いんならお兄ちゃんだった頃のが楽しかったよ… 辛そうな顔しか最近見てない… ………あたしもか 和くん… [先頭ページを開く] [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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