イ・ケ・メ・ン

早くそれを言って下さい!

友達宣言から数日たった。
その後真壁準一とは会っていない。
部活は週3日だが、自由に出来ている。
なんとなく気になっている。
「どうしたの?沢村さん。手、止まってるよ」
あぁぁぁぁぁ!
やっぱり笑顔が素敵です。
「すみません、沢村加奈子!頑張ります!」
いやん♪
今日も話しちゃった〜!
「今日はここまでにしようか」
学さんが声をかけてきた。
画材を片付けながら、筆を洗うべく廊下に出た。
「あっ、加奈子!」
ん?誰?
だっ、誰?
このイケ……
「あぁぁぁぁぁぁぁ!」
指を指し、思わず心の声が出てしまった。
廊下にいた人間全てが振り返った。
しかも教室からもわらわらと人が出てきてしまった。
「なっ、なんでもないっス!
まったくもってなんでもないです」
あわわわわっ
準一もビックリしたが、フッと笑い声をかけた。
「コンタクトにしたよ。ビックリした?」
もの凄くニコニコ顔で言った。
「髪型も変えたんだ?わかるかなぁ」
少し照れながら頭をかいた。
変わったなんてもんじゃないでしょうが!
すると教室から先生が顔を覗かせた。
「あっ、先生!こないだはありがとうございます」
準一が、先生に向かって言った。
「おぉ、よく似合ってるんじゃないか」
えっ?えっ?えっ?えっ?
「あぁ、先生に美容院教わったんだ」
マジですか?
「おっ?なんだぁ?お前等付き合ってんのか?
そういやこないだ一緒に帰ってたもんな。
オレも彼女と良く学生時代制服デートしたりしたよ」
今……なんとおっしゃいました?
か…の…じょ…
彼女!?
「学さん!彼女いらっしゃるんですか?」
ものすごい勢いで言った。
「あぁ、いるけど…って言うか、
沢村さん?なんで俺の事名前で…ってちょっ、おい!」
学さんの言葉を最後まで聞かず、筆を握りしめたまま廊下を歩いていった。
あぁ、あぁそう。
彼女……いるんだ。
しかも学生の頃って……
超長いじゃん。
めちゃくちゃ笑顔で…
笑顔…
え…が………
あれ?
あれれれ?
私…泣いてんの?
泣いて…
「加奈子!」
振り返ると準一が加奈子のカバンを持って、息を切らしながら走ってきた。

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