イ・ケ・メ・ン

私じゃないんですね!

「私が見えたからって、なんで抱きつくのよ!そういうのいやらしいのよ!
入院しただかなんだか知らないけど、どうせあんたが、皆に嫌がられるような事したんでしょうが!」
加奈子はおもいっきりたんかを切った。
すると準一がすかさず言った。
「それは違うよ、加奈子。かいつまんでしか話さなかったけど、みっちゃんの事そういう風に言わないで欲しいんだ」
冷静に言った。
その言葉に加奈子は逆上した。
「じゅんはこの子の肩持つんだ!」
「そういう事じゃなくて!」
「もういいよ!」
加奈子は二人の元から去った。
「顔が追いかけたいって言ってるよ」
美里が静かに言った。
「いいんだ。加奈子ならちゃんと話せばわかってくれる」
美里が準一の胸に寄りかかろうとした。
しかし準一は体を外し拒否をした。
「みっちゃん。僕はみっちゃんを兄妹としか思ってないよ。たしかに血は繋がってないけど、家族として心配なんだ。だから…」
「気持ち…気付いてたの?」
無言で頷き、準一は去った。


走り去った加奈子は涙が止まらなかった。
下駄箱で泣きながら靴を履こうとしてると、真吾が声をかけてきた。
「沢村さん、どうしたの?」
思わずその場にしゃがみこんだ。

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