こいびと

波乱の予感。

「半年ぶりだね」
「卒業して以来だからな」
この女は中学時代、野郎の中で人気があった女だ。
2年の時に告白され、なんにも思わずとりあえず付き合った。

中学生なんて『付き合う』『彼女』なんて響きが大人な感じがして、『好きになる』って感情を知らずに過ごしていた。
だから『彼女』という存在がいても男友達優先だし、自分のやりたい事が何よりも勝る。
今振り返ると最後「他に好きな人が出来た」そう言われ別れたが、そりゃオレより他の男のがいいだろうと思う。
「お前言ってた男とは、今も付き合ってんだろ?」
「……」
別れたのか。
あえてそれ以上踏み込まず、懐かしい話だけして店を出た。
「じゃあ、またな」
帰ろうとした瞬間、腕を掴まれた。

「本当は、あなたの事…忘れられなかったの」

そしてありがちな展開が、波乱を巻き起こすのであった。

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