「気持ちいいね」 「そうだな」 フェンスに持たれながら、空を見上げた。 遠くからカラオケの音が聞こえたり、笑い声が聞こえたり。 でもまるでここだけ切り取られたように、静かに時は流れた。 「先輩…」 彼女が静かに口をひらいた。 「前に見たじゃない?やっぱ彼女みたい」 「うん」 「あのね…」 そういうと彼女は、吹奏楽部の事、先輩の事を話始めた。 彼女は初恋の人に先輩が似ていたらしい。 それでその人と先輩を重ねて見ていた。 懐かしむように、まるで赤ちゃんを見るかのように優しく笑った。 「だから、好きは好きだけど、恋愛じゃないんだよ。憧れかな」 そういうと立ち上がり背伸びをした。 「なぁ…」 「何?」 「なんでその話、オレにしたんだ?」 彼女は目を丸くし、こちらを見た。 「それは…」 ガチャッ 屋上の扉が開いた。 「あっ、先客?」 「大丈夫です。もう降りますから。行こ」 そう言うと階段を降りていった。 後ろから彼女の姿を見て、さっきの続きが気になった。 「あのさ…」 言いかけた瞬間、彼女が振り返った。 「なんか、あんたには言わなきゃって思ったんだよ。わかんないけど。今までいろんな話してきたから?…」 体が勝手に動いた。 彼女を引き寄せていた。 彼女はビックリして、体を突き放した。 「なんで?」 なんとも言えない表情を浮かべ た彼女を見ておもいっきり言った。 「だから、お前の事が好きなんだよ」 [先頭ページを開く] [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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