あたし+僕=何?

11

お互い飲み物を一口飲むと、また自然と続きが話された。
「付き合うなんて微塵にも思わなかったよ。そん時さ、僕をバスケ部に誘った小学生からの友達がいてさ、そいつに恋ってのがわからないから断った話とかもしてたよ。そんでそいつ・・同じクラスの子に好きな子がいたみたいで、僕に嬉しそうに話し、こういうのが恋じゃないかって言ってさ」

まさか・・・

「その彼が僕の初恋の人だよ。嬉しそうに話すのがなんか可愛いって思ってさ。でも、バスケに誘われた僕と違い、やりたかっただけあって頑張っててさ。身長は僕より小さくて、細いのに結構筋肉がついてて、部活の後話しながら着替えてた時・・裸をマジマジと見て・・体が反応してる事に気がついたんだ」
「え?・・それ」
あたしが少し顔をゆがめると、恵は楽しげに笑った。
「何よ、恵」
「やらしい事考えただろ?たしかにおかずとしては使わせていただいたけど」
「お、おかっ」
「でもそういうんじゃなくて一目ぼれってのも知ってる奴にたいしておかしいんだけど、周りと話してるとさ、そう言うのってなんか違うんだんなって・・・チカ。やっぱもう関わり合いになりたくない?」

そんなことは・・ない。

「・・裸見てってのはなんかエロくてやだけど、話してる感じを見てると純粋に好き・・だったのかな?って思う。ようは、周りの「普通」と自分の「普通」に悩んだんでしょ?」

恵は紅茶を見つめながらうなづいた。

「でもさ!それだけならなんか・・初恋は皆と違う感じになり目覚めたもんもあるかもしんないけど、綺麗な思い出と言うか・・女の子とバンバン付き合ってんじゃん!感じるだのそうじゃないだの!なんで付き合うの?その子想ってればいいじゃん!・・・伝わんないかもしんないし、断られる確率とかは悲しい結末しかなんないだろうけど」
「おいおい、勝手に先に進むなよ。初恋が実らないって誰が決めたよ」
「はあ!?」
思わず席から立ち上がり、大声をだしてしまった。

だって、その子は好きな子いるみたいだって!
そ、それに普通・・・・
あ・・・
あたしも、思ってんじゃん・・・

思わずの心の声に、自分もあの汚い家の子でそしていつもいるクラスの適当な仲間と、どこか違うって思ってた。
でも変わらない。
自分もその程度で、理解したいからの会話が興味本位だからなのだと思い急に鞄を手にした。
「あたし・・帰るわ」
「え?チカ?急にどうしたんだよ!」

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