いつのまにか日常会話に意向していた。 本当は、あのやたらとクールに話した別れ話が気にはなっていた。 「なんか暗くなってきたし、お腹空いたし・・帰る?あ・・いや、どっか食べに行く?」 「そんな気を使わなくてもいいよ。たしかに、家は好きじゃないけど、まだ個人の部屋があるし基本父親は子供に無関心だし、母親はよい子の妹ちゃんのが大事であんまり話さないし」 「じゃあ、やっぱどっか入ろうか」 恵のすぐ後ろを歩きながら、知りたい欲求がどんどん強まった。 「ねぇ恵」 「何?」 「今度は恵が話してよ」 「え?」 「なんか・・・・ない?」 恵は立ち止まり、チラッとこちらを見るとまた歩きだした。 「そうだなぁ」 ものすごい軽いノリだった。 「実はさ」 「うん」 「僕・・女の子好きにはなれないんだよね〜」 振り返りなんともいえない歪んだ笑みを浮かべた。 「別にセックスできるけど、まったく感じてなかったりするんだよ」 何を言ってるのかわからなかった。 「異性に性を感じないんだ。いわゆる同性愛者ってやつかな?」 あまりにあっさり爆弾発言を言うため、自分の涙ながらの訴えが馬鹿らしく思えた。 「え?え?ちょっ、え?だって彼女いたじゃん!」 「いたよ。中学からだと・・・何人いたかな」 「えぇ?じゃあなんで、ど!・・・と、とにかくどっか入って話そ?ね?」 「僕はさっきから入ろうって言ってんじゃん」 「なんであんた笑ってるのよ〜!わけわかんないわ!」 こうして近くのカフェに入り仕切りなおすこととなった。 「ここの紅茶美味しいよね」 「なんでコーヒーショップで紅茶なのよ!たしかに美味しいけど・・・じゃなくて!さっきの話!」 「さっきの?」 「とぼけるな!・・・その・・」 「どーせーあ・い」 「声もっと小さく!」 自分がおかしいのかとも感じるくらい普通だった。 「・・・・本気で言ってんの?冗談じゃ・・」 ない。 嘘を言う奴じゃないし、おちゃらけた感じをだすけどあの表情・・嘘じゃない。 「あぁ。でも周りはそう言う人のことをおかしいって言ったりするだろ?」 なんともいえなかった。 たしかに芸能人なんかにはよくいて、面白いし認めているかもしんないけど、身近にいたらどうなんだろうか? でも、あたしはこいつをそんな変な目で見たことは一度もない。 それよりか、自分の方がおかしいんじゃないかくらいに思って生きてきた。 あんな家にいたんだ。 「他の人はわかんない。テレビなんかでよく勘当されて親と絶縁してる人とか、見て認めてくれる人とか、いろいろいるじゃん?あたしは恵がそうだとしても・・変わらないよ!それより、なんでそうなのに、女の子と付き合ってたの?しかも、その・・そういうことも・・し」 「てるよ。付き合ったほとんどの子とした。求められたからね。別に感情なんてなかったって、出来るんだよ。でも、こういう話はチカはやだろ?」 「あ・・・まぁ、うん」 頭の中で浮かんだ。 恵側の肌が触れてるわけじゃないのに、やたら敏感になっていた。 心は認めているが、やっぱりだめなのかもしれないと感じていた。 恵はそれを感づいたのか少し席の間をあけた。 「小学生くらいまでは、何にもなかったんだ」 そしてゆっくりと話し始めた。 「周りもまだそんな恋だのなんだのなかったからね。皆仲よかった。でも、中学くらいになると変わってくる。男で僕より小さかった奴は、大きく声も低くなり、女の子の体型も変わる。そりゃませてた女の子とかは影で好きだのなんだの言ってたのかもしんないけど、僕の周りの子は男女関係なかったんだよ。着替えも気にしたことなかったしね」 「それで?」 「でも、だいたい皆が恋っての意識を本当の意味で理解するのって、これくらいからだと思うんだ。最初一年の夏前かな?バスケ部に実はいたんだけど、体育館で顔を合わす同級生にコクられたんだ。だけど正直ほとんど喋ったことのない女の子に「付き合ってもらえませんか?」って言われて「いいよ」とは言えないだろ?だから、「君の事はよく知らないから付き合えない」って言ったんだ。周りにその話をしたらもったいないってやたらいわれたよ」 少し懐かしむようにクスッと笑うと、ひと口紅茶を飲んだ。 「それと、その・・どう関係あんのよ」 「落ち着いて。そんなガンガン聞いてくるタイプだっけ?」 「ごまかさないでよ。そこまで聞いたら気になるし、今日は・・」 「わかってるよ」 はっきりいって、この時はとんでもない話をしてる!って思いながらなぜかワクワクしていた。 [先頭ページを開く] [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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